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「願いのアストロ」について(第1話・ネタバレあり)

新宿スワン、東京卍リベンジャーズで有名な漫画家の和久井健が新連載を始めたので話題になっているので今更ながら1話から見ていこうと思う。
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以下簡単な話の流れと感想。

<ストーリーと感想>
なにやら隕石の話の後に主人公登場。
みかじめ料という名の買い物をする主人公の世剣ヒバルにそれを指摘する「義兄弟」の世剣テラス。
名前からしてとても日本人とは思えないのだが、舞台は日本なのである。

まあ多分この作者、外人(欧米人)が好きなんでしょうね、だから名前も外国人風にしたがる、東京卍リベンジャーズでもそう。

場面変わって父の葬儀で世剣ヒバルが組の跡目発表。
キャラクター的には完全に「ワンピース」のルフィですね。

父・世剣金剛とのエピソード内で、義侠心というやくざの正義が語られ、これが2人の行動基準であると示される。
さらに本当の家族よりも絆が固いといわれた「金剛の絆」とかいう明らかに崩れるであろう伏線も張られる。
流れ的には跡目を継ぐために兄弟で争い合うという言った感じでしょうか…これはあれだな、「北斗の拳」プロットやな。

銭湯内で世剣ヒバルがまさかの嘘吐きを告白。
跡目発表を嘘ついてたんかい!
個人の遺言を勝手にねじ曲げるという非リアルな行為に若干の設定の作りこみの甘さを感じる。
この衝撃の嘘吐きの理由を「義侠心のため」ということで理由づけるが、こういったマキャベリズム(目的を達するためには、どんな汚い手段でも正当化される)的行動は後々キャラクターの行動指針の足枷になるのではないかと懸念してみる。

また、ヒバルとテラスとの銭湯中の会話で「○○組」と「極道」は異なるという謎の主張がなされる。
この辺は、青少年のための雑誌であるジャンプ掲載の上で、暴力団を扱う腕の工夫であろう。
ワンピースを例にとっても、「海賊」とは名乗りながら、略奪はせずに宝探しという面にのみ力点を置いている。

場面が変わって、流星の爆破によるビル倒壊に巻き込まれたテラスを救うためにパンチをするヒバル

力を発揮する際に幻想の父が手助けをするという形で親子の姿が重なるセル戦のご飯と悟空の「ドラゴンボール」オマージュ。
ジャンプ掲載第1回目なので記念にやってみたって感じですね。

テラスは救われたものの、目線を地面から地表へ向けると世界が崩壊して、世に混乱がもたらされていく予感で終了。
なんか壮大な感じを予感させて終了なところとかは相変わらず期待感を持たせるのが上手く感じる。
次の回も気にせざるを得ない様な上手な結末の描き方だ。

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以下は作品全体の分析である。
<分析>
和久井健といえば、講談社系列の漫画家でもおなじみだが、今回はなんと全く別畑の集英社、しかも天下の週刊少年ジャンプでの新連載というまさかの出版社を跨いでの新連載には驚かされた。

が、同時にさもあり何とも思った。

というのも、実は和久井健の作風そのものがなんとなく少年ジャンプ向きな気がしていたからだ。

そもそも今回の作品もそうだが、東京卍リベンジャーズも、随所に現れるジャンプオマージュがあからさまである。(この辺は長くなるのでまた別日に)。
今作品でいえば、要は北斗の拳の世界をルフィが活躍するわけなのだから。
遊びでドラゴンボールもかませているし…。

今作品の設定自体は、和久井健が描くにおいて非常にやりやすい環境が配置されたと思う。
というのも、これまでの様な和久井健お得意のアウトローものを描く上では、正直治安が保証されている日本という舞台はやりずらいからだ。

窃盗、暴行など、悪事が究極的にエスカレートすると殺人になる訳だが、正直新宿スワンや東京卍リベンジャーズなどで生ずるような殺人事件が、日本で頻繁に起きるということ対する拭い切れぬ違和感を読者の大半が持っていたのは紛れもない事実だ。

こういった非リアリティ(設定の甘さ)をもって和久井健作品を批判する向きは結構多いように思う。
(この辺は実は和久井健作品の本当の魅力はそこじゃないということに気づけば、上記のような違和感も非常に温かい目で見ることができるのだが…この辺は上記の東京卍リベンジャーズの話斗ともに後日に回そう)。

だが、今回の様な世界が崩壊した北斗の拳的世界観において、ましてや主人公の元来の所属が日本の治安の最警戒団体である暴力団であれば、暴力描写のリアリティに疑義は生じにくくなる。

今作は、和久井アウトロー作品が描きたい描写に対する現実世界との遊離感がほぼ感じられなくなったと言える(いわゆる環境が作品にマッチした状態)。
ゆえに上述の様な和久井作品の弱点と指摘されがちな非リアリティー問題も克服されている。


総じて言えるのは、売れ線の設定(北斗の拳)や主人公(ルフィ)を配置した完全な布陣で、満を持して涌井先生の魅力が存分に発揮できるような環境の下、ジャンプのおもてなし精神も感じられる、非常に期待が持てる一作である。
今後が楽しみである。

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