一言要約
意外と上手く村の町娘を演じたエマ=ワトソンと共に、ディズニーワールドにどっぷりと浸れる佳作。
以下自分なりのストーリー解説と感想です。
エッフェル塔があることから、物語は19世紀のヨーロッパ。
オープニングは、映画「えんとつ町のプペル」と同じくミュージカル風味だが、プペルと違い演出が気にならない。これはディズニーの脚本の見事さ所以でしょうか。エマワトソン演じるベルがハリーポッター感を出さずに上手く演じている。ベルに想いを寄せる2.5枚目のガストンがアントニオ=バンデラス似ているところも微笑ましい。ベルの父親が街へ買い物に行く途中に現れるお城やその背景が、映画「ロードオブザリング」を彷彿とさせる。そういった映像美を見せつけられつつ、物語は「承」へ移る。
野獣に閉じ込められたベルのために、魔法でお城の調度品となってしまった野獣の元人間の家来たちが踊り出す。ここは、まさにディズニーワールドを存分に感じることができる。ディズニーランドでのアトラクションにあったら思わず言ってしまいたくなる。ただ途中から調度品たちのダンスは何故か宝塚演出へと変わる。
その後、2.5枚目でナイスキャラであったアントニオ=バンデラス似のガストンが唐突に悪役へと役代わりしてショックを受ける。なにやら急激な脚本の陳腐化を感じさせるが、これも物語展開の一本化と時間制約を鑑みた末の脚本いうことで暖かく見守る。
野獣とベルが日々を過ごすうちに本の話題などで仲良くなり、野獣からベルへダンスへの誘いがあり、ベルもそれを受ける。野獣の部下の調度品たちがベルの衣装をあつらえる際に天井から降りている金色の枝みたいなのが、映画「宇宙戦争」のアレみたいで血を吸われないかとヒヤヒヤする。2人だけのダンスはかつて一世を風靡したプレーステーションのゲーム「FF VIII」のダンスシーンと被り、楽しい気持ちになる。
野獣とベルがいい感じになっている時に、悪役化したバンデラスことガストンが民衆を扇動して野獣の城に攻め入る展開となる。この辺りのミュージカル演出は、「効果は抜群だ」。これまで映画の中のミュージカル演出に意味を意味をあまり見出せなかったが、この場面を見て効果をはっきり実感できた。ミュージカル演出は物語の展開を早める効果があるようだ。
民衆に攻められる中で、調度品である野獣の家来たちの大立ち回りが演じられ、展開はガストンと野獣の一対一の対決へ。野獣とガストンのラピュタ味を感じさせる塔の登り移りののち、ガストンは塔から転落で帰らぬ人へ、野獣は銃で打たれ瀕死の重症となる。
ベルの野獣へのキスで魔法が解かれ、野獣は王子へ戻り、調度品は元の人間へ戻る。魔法が解かれて調度品から人間へと戻った野獣の家来たちは、19世紀の王室なのに何故か黒人白人が入り乱れている。最近のポリコレの波が闇を感じました。
野獣と調度品も元の人間へ戻り、ベルと野獣、村の人々は、お城でダンスをする。子供達にも見せられる万国共通の暖かいエンディングで安心する。
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