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世間ではコミュニケーションの場面において「第一印象」が最も大事と言われている。
恋愛だけでなく、商談、就活の面接、営業などあらゆる面で喧伝されていることだ。
誤読されがちなメラビアンの法則なども大人気法則としてよく援用される。
メラビアンの法則については誤解が非常に多いので、「メラビアンの法則 誤解」などでgoogle検索をするとコンサルの扇動的な意見に惑わされることが少なくなると思う。
さて、話はこうだ。
コミュニケーションには一にも二にも「第一印象」とも言われるような昨今の第一印象万能主義の状況が発生しているにもかかわらず、実際のコミュニケーション場面に着目した際は、「第一印象」を良くしても中々良い結果に結びついていない状況をよく見る。
本当に「第一印象」は大事なのか?
今回はそんな観点から論を進めていきたい。
そもそも「第一印象」とは、字義通り理解するならば「見たないしは会って1番目の印象」のことであり、出会って3~5秒の間に相手が自分を目に入れた正にその数秒のこととなる。
つまり会話に入る前だ。
にも関わらず、ネットやマナー本では「会話中の話し方や声のトーン」が第一印象を良くする方法として挙げられている。
いや、会話中の話し方や声のトーンってそれもう会って話してるんだから、「第一印象」じゃないやん、「第一印象」よりあとの話やん。
ということになる訳だ。
つまりは矛盾である。
矛盾であるにもかかわらず、「印象」=「第一印象」であるかのように、マナー講師(笑)達が敷衍し説明している状況」こそが、却ってコミュニケーションの成否を阻害している要因である。
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「第一印象」とは、はあくまで「第一」印象なのだ。
ここをクリアにしておかないとコミュニケーションがうまくいくわけがない。
上述したが、一般社会のコミュニケーション(会話)の要素は2つに分かれる。
「会話する前」、「会話が始まった後」である。
会話をする前が第一印象、会話をした後はまた別の挙動が印象付けの上書きがなされる。
ここでは会話をした後を第二印象と便宜的に名付ける。
第一印象…話しかける前の目に映るパッと見の印象
第二印象…会話をしたりなどした後の印象が重要になる。
実際のコミュニケーションの肝は第一印象以外の要素も非常に重要になってくる。
清潔感があるとか明るそうだとかの第一印象以上に、その次の立ち居振舞である第二印象(論理的に説明できるとか声が大きすぎないとか)がその人や話しの良しあしを決めるのだ。
第一印象が重要でない、ということでは勿論なく、それ(=第一印象)は当然踏まえた上でそれ以外、それプラスの要素(第二印象以降の印象付け)が非常に重要になってくる。
特に短期的なコミュニケーション(初めて会ったときなど)においては、第一印象と第二印象ともに非常に重要になってくることがミソだ。
長期的ではない短期的なコミュニケーション(最長でも会話して1~2時間程度)においては、相手と交流する時間が短いがゆえに、その人間の性格だとか性質(誠実であるとか約束をしっかり履行できるとかといったその人間の深い人となり)を理解し判断することは難しい。
判断ができるのは、この人は誠実「そう」であるとか、約束をしっかり履行でき「そう」といった「○○できそう、○○風」ということだけである。
すなわち第一印象と第二印象というその人間の即物的印象だけである。
この即物的印象は、営業面では特に重要である。
営業などの短期的な交渉においては、営業が紹介する商品の詳細な分析や実際の使用感は当然その場では分からないので、商品そのもの真贋や良し悪しを見分けることが難しい。
ゆえにその商品の良しあしは、商品の紹介者自身の是非へと評価の軸足が移り変わってしまうのだ。
つまりその人自身の是非がその商品の是非となる。
当然上述したように、長期的な交渉(昇進とかBtoBの現場プロジェクトとか)の場合は、論旨や首尾一貫性、実直さなどが非常に重要になってくる。
あくまで、恋愛の初期とか、営業とか、就活の面接とかの短期的な交渉事(コミュニケーション)においてのみ「第一印象・第二印象」が競争力(コンピテンス)を発揮できるのだ。
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