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「極東ネクロマンス 」について(第7話・ネタバレあり)

ムームーサーバー
https://www.oninkun.com/back-issues-of-kyokuto-necromance
ムームーサーバー

前話までの感想はこちら↑↑↑↑↑↑↑
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<ストーリーと感想・分析>
以下本記事においては、「宇埜 薫」は坊主と呼び、「天涅 耀司」はサブカルと呼称、「倉敷 翠」は女子高生ないしは翠と呼称する。
坊主を呼びだす女子高生。
坊主と女子高生の会話の画角が急に小津安二郎映画となる。

女子高生は、「私の呼び方は翠でいいよ、私も薫って呼ぶから」と言って急に下の名前で呼ぼうという提案をする。
・急に下の名前で呼び合い、親しさを出そうとするこの感じ、これ新興宗教とかでよくあるパターンのやつですよね。
「同じ宗教を信仰してる人は皆友達だ」みたいな。
翠のこのセリフからはちょっとこういうカルト的なゾワゾワ感を覚える。

放課後、翠が坊主相手に「翠ちゃんのネクロマンシー講座を始めます」といい、河川敷で講座を始める。
・きつめの見た目から「話しかけないで」感があるにもかかわらず、自分から良く話しかける描写はかわいらしい印象がある。

翠が石(重量200kg)を持ち出し、「この子を持ち上げて」という。
当然だが人間一人では200kgを持ち上げることはできないので、シシを出しながらその石を持ち上げることになるが、持ち上げることに気を取られるとシシが消えてしまうので、シシが消えない様にしつつも高重量を持ち上げるというもの。

・この訓練方式がすでに呪術廻戦第13話の虎杖悠仁の呪骸の訓練と一緒。
呪術廻戦…呪骸に呪力を流し続けながら映画を見ることで、他のことに気を取られても常に一定の超常の力を保つ訓練。
極東ネクロマンス…シシを常に出しながら重量を持ち上げることで、他のことを意識しながらも常に超常の力を出力し続ける訓練。
案の定同じである。

ここから坊主の訓練の日々が始まった。
シシを使ってバーベルを上げたり、シシを出しながら逆立ち腕立てをしたり。
坊主のトレーニング中に差し入れを入れてくれるおばあちゃん、優しい。
・この辺は映画「ロッキー」の毎日のロッキーの練習シーンみたいでちょっと面白い。

1週間後訓練の成果を出そうと、シシを出して200kgの石を持ち上げようとする坊主だが、連日の自主練の無理がたたって倒れてしまう。
39℃程度の熱が出てる坊主の頭を撫でながら、
「倒れるまで肉体をいじめるのはすごいよ…精神の力で肉体を動かしたって事」、「スピリチュアルなことは肉体の先を志す、その精神性が大切」と、なんかそれっぽいことを言って優しいお母さんみたいな態度になる女子高生。
・もうこの辺は単純にキモいわ。

と、ここで死霊が近くにいるという風に言う女子高生。
ここで翠が使役する死霊達(複数)が登場して臨戦態勢に入る。
翠が薫に対して「大丈夫、私が守ってあげる」と言って終わり。

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<感想>
・パクリ問題について。
本当にこの作者からは、毎回漫画の大事な部分に関して自らの独創性を放棄して、単にほかの作品をパクることでその場しのぎをしようとするせこさをひしひしと感じる。

いや、仮に百歩譲って独創性がなくてもいい。
独創性がないので真似るという手段を取ってもいいのだが、なぜ「これはあれのパクリ元だ」とすぐバレてしまうようなところから真似るのか。
呪術廻戦なんて現在連載中の漫画だろ。
「浮気はバレて初めて浮気になる」じゃないけど、同紙に並行して連載中の漫画からパクるって工夫柔軟性とかないの?
真似るならせめて30年以上前の作品からとかしないと。
30年以上前の過去の名作から真似るとかだったら、仮にバレても「これはパクリじゃなくて過去の名作のオマージュ」とかで言い訳できるのに。

(例を出すと、「スティールボールラン」の母親のシチューシーンは「どろろ」のそれと酷似しているが、これは当然パクリではない。
「どろろ」なんて映画化もされた手塚治虫の名作なので、当然漫画好きな人は「スティールボールランの母親のシチューシーンはどろろのオマージュだ」とにやりとしてくれるのである。
逆にこれでパクりだとなんだと騒ぐ人は「『どろろ』も知らないの?」とネガティブな意見をもらってしまうことを忘れてはいけない。)

パクリかオマージュかは作者が意図を説明しない場合は、判断は読者の容認度合いによって変わると言っても過言ではない。
過去の名作を真似ることは、オマージュの一つとして容認される割合が高い。
かぐや姫や桃太郎の話をまねても、誰もパクりだなんて騒がないのと一緒である。
パクっては駄目だが、オマージュならいい。
もし真似るならオマージュとして分かる様に真似るべきだ。


・お母さん彼女問題について。
女子高生が坊主の頭を撫でながらやさしい言葉をかけるシーン。
霊が見えるとはいえあの年代の女子高生が、知り合って幾日も経ってない年上の異性の高校生に対して、こういうやり取りをすることが有り得るのだろうか?
こういう非リアルを当然のように描いてしまうこと自体が、現実の人間のやり取りに対する漫画家としての想像力の低さを物語ってしまっている。
普通に考えてそうはならないだろ、もっとキャラクターを作り込めよ。
このシーンをこのまま素直に見ると、「作者が彼女にしたい理想の女性像を詰め込みました」みたいになっている。
「彼女はおめーのお母さんじゃねぇーんだよ」とツッコミたい。
100億歩譲って夕子先生が指導役で坊主を慰めるなら納得がいったのだが。
今は別キャラが坊主の世話をしてることを考えると、前回提示した結局4話で夕子先生を出した意味はあったのか?問題は、意味がないという結論に至ってしまう。
新キャラが登場したにも関わらず、新展開にがっつり絡まないというのは、結局はキャラの無駄遣いである。


・名前覚えにくい問題。
これは過去何回か軽く触れてきたが、今回改めて説明していきたいと思う。
女子高生の「倉敷 緑」というのはおそらく全て常用漢字範囲内であるが、やはりどうにも覚えにくいような気がする。
今週この漫画を見た時に、この女子高生の名前をすぐに思い出すことができなかった。
おそらくは名前が覚えにくい乃至は、この場合は漢字が読みにくいのだと思う。
名前覚えにくい問題は、主人公2人に関しては特に顕著である。

2人の主人公格に対して、何故通常の常用範囲内の漢字を使わないのか?
・宇埜薫→宇野薫
・天涅耀司→「天音or天根or雨音or雨根」「洋治」
ではいけなかったのか?
「埜」「涅」という異字体を使うこと対して、オシャレという以外に明確な意味はあるのか?

名前は他と区別するために名前を付けるのだから、覚えてもらったり、呼んでもらうことに意味がある。
名前の読みにくさは親しみさを出しにくい。
それでなくとも、予測変換で出しにくい字はSNS上で名前が上がりづらくなる。
故に話題に上がる確率が下がる。
結果作品が世に出にくくなる。
特に商業誌の場合は、名前が読みにくかったり覚えにくかったりすることで後々のメディアミックスなどに支障が出る可能性が出てくる。

仮にこの漫画が万が一売れてキャラクターなどの商品化がされたらとか作者は考えたことが有るのか?
読みにくい名前だとメーカー側が作りにくいし、売れにくいじゃない。
こう言うことを考えていくとどうしてもこの作者は、
・漫画が売れることを考えていない、つまりこのマンガが当たるということを考えずに作っている。
と深く考えずに漫画をかいていると解釈せざるを得ない。

これで良いのだろうか?

予反駁として置いておくが、「自分は売れる漫画ではなく、伝えたい内容をマンガにするのだ」という主張は、商業誌の最大手である週刊少年ジャンプに載せている以上は全く反論や言い訳にならない。
ジャンプに載せてるんだから、売り上げを意識するのは当然の義務である。

ドラゴンボールをよく見てみろ。
悟空の歴代ライバルをざっと上げると、「ピッコロ」・「ベジータ」・「フリーザ」・「セル」・「魔人ブウ」…全部カタカナで由来なんて適当なんだよ。
フリーザなんて冷蔵庫だぞ。
名前の大事な所は、由来などどうでもよく、結局は覚えやすさであるということだ。

・余談
あとこれは好みの問題なのかもしれないので余談なのだが、この作者の描く女性描写(心理や行動描写ではなく本当の意味でのフォルムの話)は、少し古い気がする。
夕子先生やこの女子高生なんか、腕・足・スタイルがほっそりとした体型で、悪く言うと一昔前のガリガリ全盛期のモデル、これを反映してるんじゃないかと思料する。
作者の趣味なのかもしれないが、もうちょっと時代に即した女性の描き方のスタイルに寄せた方が人気が出ると思う(悪い言い方をするともう少し読者に媚びて売れを意識したほうが良い)。
どうせキッズホイホイするなら、もっと徹底的にしたほうが良い。


一応最後にフォローを入れておくと、坊主の自主練の日常シーンは薫の日々の姿などが垣間見れてちょっと面白いと思った。
やはりこの作者は日常漫画の方が向いてる気がする、それも萌え絵系での日常漫画。

また、今週号の終わりに翠が様々な自分の死霊を呼び出して、いざ戦おうというシーン。
これは少し続きが気になった。
こういう引っ張り方が人気を高めるのでこの辺は素直に次回が気になった。


SNS上では、願いのアストロとサイクルびよりの方が人気がないという人もいるが、普通に作品を見る限りは極東ネクロマンスが一番質が低い(理由は毎回の感想にすでに書いてある通り)。
打ち切りを防ぐためには、全体的にもっとキャラクターと設定を練り込んで精密化して、読者に媚びた売れを意識する必要がある。
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ムームーサーバー

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