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「ラブフォーティ」について(第2話・ネタバレあり)

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https://www.oninkun.com/back-issues-of-love-forty
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前話までの感想はこちら↑↑↑↑↑↑↑
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<ストーリー>
激闘を繰り広げる歩と高見だが、徐々に歩に追いつかれてしまった。

高見は歩に押され続けたことで、これまではただ監督に従っていただけで思考放棄をしていた自分を反省する。
うるさく言う監督に反抗して自分で思考をし始める。
・典型的展開、テンプレである。

高見も頑張るが試合の展開の読みは歩が圧倒しており、結果歩勝利。

東堂は前言通り半年後のセレクションの話を褒美として持ち掛けつつ、体力が課題ともいい宿題を出す。

高見もマッチの後半戦は良かったので、東堂から「来るか」と誘われたが、高見は「いえ、今のままでは指示を受ける相手が変わるだけ。ここで自分のテニスを鍛えなおします」と言って断る。
・男らしいかつ大人の思考である。
これ後々、歩のことを目にかけたり、結構なライバルになるパターンの典型じゃん。

半年後のセレクションに向けて練習する歩。
だが、歩はバテバテであった。
その様子を心配した高見が歩の練習メニューを見ると、部活の3倍の練習メニューが書いてあった。
・はい、テンプレ。
だがこういったスポーツ漫画は実際の世界のスポーツ人口に影響を与えるので、いくらテンプレとはいえ、あまり極端な描写をしないほうが良いのではないかと思う。
詳細は後述にて。

高見も付き合ってくれて、半歩は年間練習して、いよいよセレクション当日の現場へ。
そこでは、受験生は見た感じで強豪揃いだった。
「こんな奴らと戦うのか」と武者震いをする中、東堂が現れた。

東堂はとりあえず、現役のスクール生と試合を提案する。
勝った相手の席を奪える入れ替え戦である。
・およそ子供にはふさわしくない決め方であるが、バトル要素を入れ込んできたのは面白いと持った。

東堂が最後に言う。
「ちなみに前回合格者は0人」
頑張ってくれ。
と声をかけたところで終わり。
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<感想・分析など>
概ねストーリーはテンプレ通り。

だがそのテンプレの中で、現実世界に悪い意味で影響を与える長時間練習信仰テンプレというものがある。
如何に問題点を2つ挙げておく。

①長時間大量練習が成果に直結しない問題。
今回の漫画でも挙げられている様に、強くなるために本来の練習メニューの○○倍をこなすというテンプレがある(他の漫画の例ではテニスの王子様など)。
強くなるためには量をこなす、量をこなすためには時間をかける必要がある。
故に長時間練習が必要になる。

ここで1つの疑問が浮かぶ。
長時間練習は、強くなるために本当に必要なことなのだろうか?

いや、分かる。
他人よりも成長をするためには通常の練習と同じことをしていたのでは駄目で、何らかのプラスαが必要であるので、そのプラスαを分かり易く表わすと量になるという、漫画世界でも描きやすい表現だというのは良く分かる。

だが、練習時間に比例してそんなに簡単に成績が伸びるものなのだろうか?

本当に長時間やればやるほどその物事について熟達するのであるならば、世の中のサラリーマンは少なくとも1日8時間以上(ないしは7.5H)も毎日修行していることになる。
彼らは毎日長時間練習・長時間訓練を積んでいることになるのだ。
もかかわらず、その中から仕事が出来きる人になるのは一握りである。
サラリーマンを例に取らずとも、他のプロスポーツを例にとっても良い。
プロボクサーは、1日のジムでの練習時間が3時間程度でそれ以上はオーバーワークになるらしい。

大学受験を例にとっても良い。
受験生ともなると、寝る時間以外全て勉強に費やしている人も世の中に数多くいると思うのだが、その人達は時間に比例して成績が向上し、皆第一志望に合格しているのか?

時間と能力の向上はあくまで相関関係であっても、因果関係ではないのだ。
勿論個々人の才能によるものだと思う。

だが能力の向上というものは、時間をかけるだけはなく工夫や効率・休養の挟み方など、その他様々な要素が複雑に絡み合い、結果に結びついていくものではないのか?


その辺りを履き違えて、ただ時間をかけて練習すれば強くなる万能薬としてのテンプレの扱いには釈然としない思いもある。


②オーバーワークによる故障の問題。

少年誌のスポーツ漫画の主な対象者は10代の少年少女である。
人生経験もまだ半ばで、判断能力も十分に養成されていない彼らが、漫画内のキャラクターが長時間大量練習をして力をつけてきた描写を見たら、それを真に受けてしまわないだろうか?

特にスポーツ漫画などは、人気スポーツ漫画などがあればそれを見て該当のスポーツを始める若者が現れる位には影響があるのだから、それは推して量るべきだろう。


問題なのは、漫画で練習信仰を真に受けた彼らが、ひたすら練習をしても力がつくのではなく、逆にオーバーワークにより故障になる危険性があるということだ。
特に成長期の子供が体力に任せてオーバーワークを繰り返すことは、故障の危険性が増す。
毎年競技を断念する中学生・高校生の大半は、実はこういった故障に起因しているのではないか。

勿論、漫画内で「こういう描写は漫画世界のフィクションですよ、漫画特有のテンプレですよ」ということが分かっているようになっていれば全く問題ないと思う。
だが、殆どの漫画家はこの長時間大量練習はただの漫画のフィクションであることを言わず(もしくは知らない)にただテンプレとして使用するのみである。
実際に長時間大量練習の弊害に関して触れている漫画家も非常に少ないと思う。

勿論、日本ではブラック部活に代表されるように、練習を長時間すればするほど強くなっていくという練習信仰が現実世界でも染みついていることは、このただやみくもに時間を費やす練習を奨励する一因となっていることは否めない。
全てが漫画のせいだけではないということは重々承知である。
だが現実・漫画の両面から、主張される内容は心身ともに影響を受けやすくなるのではないか?


<まとめ>
色々グダグダと書き連ねてしまったが言いたいことは以下だ。
結局練習信仰のテンプレはリアリティがあるようでリアリティのないフィクションであるにもかかわらず、何の付言もなくテンプレとして垂れ流すことは、漫画の面白さ的にも、現実世界の人々(特に10代の青少年)にも悪影響がある。

下手をすると、この漫画もテンプレに溢れた漫画になりやしないかと心配をしている。
次話でテンプレから抜け出すことを祈りたい。

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