「英文法が本当に役立のは、読解ではなくスピーキングである」というコンセプトの下、高校英文法修了済みの前提の上で、調べてもなかなか答えが出てこない表現について以下で整理する。
ロリポップ!レンタルサーバー|WordPressの表示速度No.1
【...
<今回の要諦>
スピーキングにおいて、「AというよりもむしろBだ」「AではなくむしろBだ」と言いたいときは、
①not so much A as B
②A rather than B
③more B than A
の内で、品詞や句・節などを気にせず使える表現は①と②である。
<本題>
「AというよりもむしろBだ」「AではなくむしろBだ」と表現したいときに、ネット記事を代表に上記の3つの表現がセットで出てくるが、この内の③more B than Aは特に要注意である。
・more B than A について
よく「AというよりもむしろBだ」「AではなくむしろBだ」の万能表現として誤解されがちであるが、実は限られた品詞のときにしか使えない。
※念のためですが、今回の話は、「AよりもB」という通常の比較の話ではなく、いわゆる「同一人[物]についての異なる性質・状態」の比較の時の話をしています。
more B than Aが使えるのは、AとBが両者とも形容詞のときだけである。
すなわち、
more 形容詞 than 形容詞
のときだけok。
例文
○:I found this dog more cute than beautiful.
名詞の場合は、
more of 名詞 than 名詞
の様にofを入れる必要がある。
例文
○:I found this dog more of a male than a female.
↑後ろのa femaleにはofをつける必要はなし。
つまり、
more 名詞 than 名詞
は間違い。
例文
✕:She is more a singer than a actress.
多少親切な記事だと
more (of) B than A
のように(of)とカッコ付きでつけてくれていることもあるが、それでもofがなんなのか、なんのためのカッコなのかは殆ど詳細な説明はなされない。
大半の記事では、ただ単に
more B than A
にしてれば良いという誤った説明がなされている。
続きはこちら↓
<標準表現>
上述のmore B than Aの誤解を解いた上で、「AよりもBだ」「AではなくむしろBだ」の現代英語(正確に言うと現代口語米語)の標準表現は以下となる。
・not so much A as B
例文
:She looks not so much beautiful as cute.
・rather A than B
例文
:She went to school by train rather than car.
なお注意であるが、rather A than Bは古典表現となり、現代ではほとんど許容されていないので、使ってはいけない。
例文
○:She went to school rather by train than by car.
※その他の類似表現として
not A but B
B instead of A
など挙げれば無数にあるが、今回は題記通り間違えやすい言い換え表現を整理するにとどめました。
老婆心からの蛇足情報
・not A so much as B(AというよりもむしろB)
not so much A as Bと同表現として存在するようだが、スピーキングではnot so much A as Bを使えば良いので、これは気にしなくて良い。
・less B than A(AというよりもむしろB)
これは口語表現として古すぎるため誰も使わない、死語。
・not so much as V(Vさえしない)
上述のnot so much A as Bと似ている受験生泣かせの定番表現である。
「Vさえしない」という意味になるが、これは書き言葉であるためスピーキングでは使わない。
「Vさえしない」と言いたい時は、not even Vと表現すればよい。
cf.She doesn't even get out of his bed.
参考文献:ネイティブが使う英語・避ける英語(佐久間 治 2013)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
リンク
・非常におすすめである。
・学校で習う英文法が如何に現実と乖離しているかと実際にコミュニケーションをとるための表現方法を知ることができる。
コメント